林野庁 令和1年度 林業成長産業化総合対策事業

第5回 木育・森育楽会 ㏌ 函館 ~遊びこむ木育の実践 家庭から職場まで~

日 時 2019年11月30日(土)10:00~17:30
会 場 函館コミュニティプラザGスクエア(シエスタハコダテ4階)(北海道函館市本町24)
主 催 木育・森育楽会実行委員会
後 援 北海道、函館市、森町、はこだて未来大学、北海道教育大学、シエスタハコダテ、木育マイスター道南支部、北海道保育協議会、北海道私立幼稚園協会、日本産業技術教育学会木育推進検討委員会(順不同)
協 力 もりかみ協議会(カートカン提供)

開会式

林野庁から木材利用課課長が来函、そして開催までにご尽力いただいた北海道チームの方にご挨拶をいただき、簡易スツールづくりワークショップも行うという、いきなり盛沢山な開会式でした。

分科会1

①うるしの器から観る、森と木の時間旅行

コーディネーター 赤池 円(私の森.jp編集長/グラム・デザイン 代表取締役)
 スピーカー  貝沼 航(漆とロック株式会社 代表)

漆の魅力を知り、森が素材を育む時間、それが道具になる時間。
使って直して代々受け継がれていく私たちの文化の時間。
漆がつむぐ木と森の時間に思いを馳せてみようと、会津から招いた漆のエバンジェリストとともに、漆まみれな楽しい時間旅行に出かけた分科会。
「めぐる」という漆器のプロジェクトを通して、その時間旅行を自分の生活にまで引き寄せることができました。

②木育の効果を考える

コーディネーター 浅田 茂裕(埼玉大学 教授)
事例報告① 永冨 一之(大阪教育大学 教授)
事例報告② 酒井 慶太郎(酒井産業株式会社 代表取締役)
コメンテーター 大矢 智(北海道教育大学 准教授/農学博士)

最近、木育の効果に関心が集まっています。「どんな効果があるのか」、「その効果を示す図表があれば欲しい」といった内容です。木育のねらい、役割について多くの方に理解が深まり、木育の実践者はそれを実感していますが、具体的な効果を示すのはなかなか難しいことです。今回は、研究者の怠慢はとりあえず棚に上げ、木育の効果について、研究、実践、産業など広く見渡しながら議論しました。案の定、結論は出ませんでしたが…。

③北海道の木育の取組1

コーディネーター 鈴木 道和(北海道水産林務部森林環境局長)

民間企業による木育の取組

事例報告① 永冨 一之(大阪教育大学 教授)
事例報告② 酒井 慶太郎(酒井産業株式会社 代表取締役)

北海道で生まれた「木育」について、いままでの経緯や取組についてお話しいただきました。その後、「木育マイスター」(道が認定した木育の専門家)からの事例報告として2名に登場いただきました。
◎ 鈴木 正樹さん…道南の森町から日本全国を駆け回る「木育の漫才師」
◎ 宮川 多恵さん…古いベンチや古民家をよみがえらせる「塗装の達人」
楽しいお話に会場もわきました。

市民開放・全国ご当地木育体験まつり

会場内のそこかしこで、各地の工夫を凝らした木育ワークショップが行われました。

[北海道]
リースづくりワークショップ

講師:
源 真紀 (有限会社スタジオ嶋 代表取締役)


[石川県]
森の妖精トントゥ作り

講師:TAMIKO(トントゥの森)


[栃木県]
木たまごペインティング

講師:えがおをつなぐとちぎ木育の会


[長野県]
ヒノキのお箸づくり

講師:酒井産業株式会社


[埼玉県]
木トンボ、えんぴつづくり

講師:埼玉大学木材研究室


[東京都]
木育デザイン虎の穴(ミニセミナー)
講師:古川 泰司(ふるかわ やすし)/FURUKAWA, Yasushi
アトリエフルカワ代表


[北海道]
削り馬(シェービングホース)でマイスプーン制作

講師:
水山 淳史(北海道木育マイスター)


分科会2

①〇〇×木育:デザインの学び  多目的ホール

「情報技術(IT)× 木育」

コーディネーター 原田 泰(公立はこだて未来大学 教授)
渡島木づかいプロジェクトOG・OB 山本 賢治(森町地域おこし隊)
堺 千里(パナソニック株式会社)
下沢 安奈(北海道教育大学)

北海道渡島総合振興局が主催する「みんなですすめる木づかいプロジェクト」。その特徴の一つは、地域の学生たちが巻き込まれて(!?)様々なデザインが生まれていることです。学生、元学生の本音からこれまでの活動を振り返り、これからの地域デザインに想いを馳せ、語りました。3人のスピーカーが、分科会中に自分のプロジェクトやもやもやした想いを模造紙に描き表していく、という趣向が面白く、若者がこれからの木育をけん引する、と思わせる分科会となりました。

②木育・森育の向こうに

コーディネーター 若杉 浩一(武蔵野美術大学 教授)
スピーカー 津高 守(JR大分シティ 代表取締役社長)
足立 成亮(outwoods代表)
谷知 大輔(パワープレイス株式会社)

木育という言葉が飛び交っています。木を使う活動?木を使った、ものづくり教育?木のおもちゃを使おう?どれも正しいと思います。だけどね…その先に何があるの?どう言う意味?てな、話に花を咲かせました。森づくり・森あそびと地域の木と企業の中の木材と…。様々な実態の嵐と共に、話題を展開しました。意味はね、繰り返しの実態から、生まれるんですよ。

③北海道の木育の取組2

コーディネーター 鈴木 道和(北海道水産林務部森林環境局長)
森町の木育の取組 佐藤 司(森町農林課 課長補佐)
事例報告① 源 真紀(有限会社スタジオ嶋 代表取締役)

午前の部のから引き続き、地域の木育の取組と木育マイスターのお話。函館や札幌の木育はいまやバラエティに富んで、あちこちに広がっています。
◎ 佐藤 司さん…森町でなんでも木育にしちゃう「木育のキン肉マン」
◎ 源 真紀さん…見向きもされない素材からリースを作りあげる「リースの魔術師」
その後、北海道の木育について、午前の部の登壇者も再び参加してパネルディスカッションを行いました。
*パネルディスカッション:「木育の拡がり」


大討論会「遊びこむ木育」

進行 浅田 茂裕、若杉 浩一
メイン討論者 各分科会担当者+α(林野庁)

木育が始まって約15年。なぜ私は今、こんなにも木を愛するようになってしまったか、そんな思いは誰もがお持ちのはずです(きっと)。気づいていないとしたら、危険です。そこでこの大討論会では、世の人々を木育に巻き込んだ人はだれか、なぜ巻き込まれてしまったのかについて、そしてこれからどうなりたいのか、熱く語り合いました。

林野庁の木育黎明期からの担当者が続々登場、もやもやし続けている大学生、熱い大人にビックリしつつこれでいいんだと未来を感じる高校生など若者も登場。ついでに函館の木育といえばこの人OK仮面とハコダケくん、ミッチー将軍まで登場して大暴れの時間となりました。 

勝手に表彰式

司会 浅田 茂裕

毎度おなじみの「勝手に表彰式」。今回も誰が表彰されるか事務局も知らないままに進行しました。ユニークかつ木育・森育愛の溢れる表彰に、会場も表彰者も一体となって笑顔となりました。

閉会式

締めの言葉をいただいた後は、ドン・チキータ楽団による、木育の歌の贈り物がありました。最後まで力いっぱい楽しめる楽会となりました。

<会場の様子>

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